神戸中華会館でのリアルセミナーへのご参加をありがとうございました。ただいま、アーカイブ動画への受講を承っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
第19回セミナーは、平均律クラヴィーア曲集第2巻第9番~第12番
第17回セミナー秋バッハ(2023年9月10日)では、『平均律クラヴィーア曲集第2巻①』の第1番~第4番。
第18回セミナー春バッハ(2024年5月12日)では、第5番~第8番。
第19回セミナーは、秋バッハ(2024年9月8日)第9番~第12番です。←今回はここ。
上杉先生のマニアックすぎる平均律の研究が、今回も爆裂しました。
というのも、(いつかはこれをレコーディングというゴールもあられるようで、)力の注ぎ方が半端ないのです。
肩が痛くなったり、手がしびれたら
最初のお話。朝起きたら、手がしびれている、という経験をされた上杉先生。
薬指の小指側は、尺骨神経が通っていて、薬指の中指側には正中神経というのが通っているので、どちら側がしびれっているのかを考えたらよいそうです。
原因をいろいろ探ったら、片側の腕が身体の下敷きになっていたり、腕を曲げて寝ていたりして、無意識に圧迫している状況があったそうです。生活の中での無意識による脇、ひじの圧迫に気をつけよう、特に寝るときの癖にも気をつけて圧迫を避けようというお話でした。
神は細部にやどる
平均律セミナーの中での、曲の分析やアプローチが非常にマニアックで申し訳ない~ということの言い訳に、「神は細部に宿る」という建築物の例が出てきました。
ライト、アアルト、コルビシェ、ミース・ファン・デル・ローエという世界の名だたる建築家たち。
神は細部に宿る~という言葉は、ミース・ファン・デル・ローエのものです。
こういう雑学的なお話は、眉間のしわもゆるむので、みんな大好きです。
配布のレジメのボリューム感
動画受講のみなさまへはレジメをPDFで、リアル参加のみなさまへは、レジメを冊子でお渡ししています。(データのダウンロードが間に合わない場合もありますので。)
文書レジメ21ページ、書き込みの楽譜を含むスライドページが42ページ、という分量で配布させていただいております。
今回も特筆すべきは、現在絶版になっている全音版のトーヴィ編平均律クラヴィーア曲集第2巻(第1巻も絶版)が、上杉先生による翻訳で、トーヴィの解釈がよみがえり、文書レジメに全訳が掲載させていることです。
もともとのトーヴィ編の全音版は、ところどころ誤訳があって、意味が逆になっているところもあるそうです。
現在は絶版なのですが、全音では、トーヴィ編の平均律クラヴィーア曲集の再版予定がないそうです。
その状況から考えてもこのレジメは大変貴重な資料になります。
全音出版には、上杉先生の全訳でトーヴィ編の平均律クラヴィーア曲集の新版の出版を個人的に問い合わせメールにてお願いしています。
みなさんの声もあると、より早く実現すると思われますので、ぜひ要望にご賛同をいただきたいです。
(文書レジメの部分は、サー・ドナルド・フランシス・トーヴィ(イギリス人音楽理論家、1875年生まれ)、サー・アンドラーシュ・シフ(ハンガリー人ピアニスト、1953年生まれ)の楽曲解釈についてのコメントが引用され、それに対する上杉春雄氏(日本人医師、ピアニスト、1967年生まれ)コメントも並べられています。)
時代や国を超えたバッハ愛あふれる3人のお言葉が、とても興味深い。
このセミナーの推奨テキストについて
このセミナーでは、配布資料の中に先生の注釈付きの楽譜もあります。先生の講義のたたき台として使用されているのは、全音版トーヴィ編の平均律クラヴィーア曲集第2巻です。また、新版ヘンレ版のアンドラーシュ・シフがフィンガリングしたものも参考楽譜として推奨されています。
平均律クラヴィーア曲集第2巻第9番~第12番
第9番のロンドン自筆譜は、アンナ・マグダレーナが記譜したため、間違い箇所が多く、バッハが誌面を削って修正していたり、書ききれなかった2小節をバッハが余白に追加で書き加えていたり、というのが見受けられる。
妻の作業をあとで手直ししているバッハとの、ほのぼのとした夫婦の風景がみえてくるよう~という上杉先生の想像のお話が、楽譜の誌面をより親しみやすくしてくれました。
第10番以降の舞曲的要素の解説と、テンポについての言及、ヘンレ版を編集されている平均律の第一人者の富田庸さんとの意見交換からの弾き方の採択についても、レジメに詳しく記載されています。
資料には、上杉先生がよりバッハに近づくための、涙ぐましい丁寧な準備工程が表されています。
平均律クラヴィーア曲集第2巻セミナーアーカイブ受講ができます。
素晴らしい講義内容、そして講義のあとでの実際の演奏もほんとうに素晴らしいので、ぜひアーカイブ受講でご受講してください。各9000円(再受講は3000円)で、1か月視聴できます。
【平均律クラヴィーア曲集第2巻アーカイブお申込み】↓
第17回セミナー(平均律クラヴィーア曲集第2巻第1番~第4番)
第18回セミナー(平均律クラヴィーア曲集第2巻第5番~第8番)
第19回セミナー(平均律クラヴィーア曲集第2巻第9番~第12番)
ランチタイムクリニックについて
コルトーのピアノメトードに基ずく、上杉先生の奏法アドバイスのコーナーです。限定4人。(当日抽選)
上杉先生が、指に無駄な力をかけずに美しい音を鳴らすアドバイスをくださいます。
無駄な力をかけないということは、ジストニアなど神経系の難病の予防になります。
今回より、ランチタイムクリニックの動画もアーカイブ視聴できます。
↓は参考テキストです。
第20回セミナーも会場でお待ちしております。
ぜひリアルで、上杉先生演奏をお聴きください。
第20回セミナーは、平均律クラヴィーア曲集第2巻第9番~第12番
日時:2025年5月11日(日)10:30~15:30(1時間の休憩)
場所:神戸中華会館(アーカイブ動画受講あり)
お申込みをお待ちしております。
平均律クラヴィーア曲集第2巻さいごまであと3回となりました。
無事に走り抜けたいと思います。
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記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。
神戸北町のしばたピアノ教室 柴田 幸代