本日は西宮芸術文化センターにて『ひょうごプレミアム芸術デー』。ホールや楽器についてのレクチャーを無料で受けられる素敵な企画です。神戸女学院小ホールで、青山一郎先生によるピアノのペダルとタッチについてのお話をそれぞれ第1部、第2部の構成で聴きました。本日の講義リポートです。
ピアノについて
クリストフォリ以前にピアノの原型となった珍しい古楽器について、美しい映像とともに説明がありました。ダルシマー、ツィンバロム、サルテリオ、など。その後チェンバロが人気を博し愛用されるように。
そして新しく独創的な方法でフォルテとピアノが出せるクリストフォリのピアノが発明される。そこに音の減衰時間をコントロールする装置をつけたのが、ジルバーマン。いわゆるペダルのことです。最初は手で操作していましたが、後に足で操作するものとなりました。
ピアノのペダルについて
ダンパーを動かして、弦の振動の時間をコントロールするペダルは、ただ音の長さを決めるだけでなく、打鍵していない弦も波動を帯びて振動させ、意思的に鳴らした音以外の音の響きも発生させ音色を豊かにします。
またシフトペダル(ソフトペダル)は、いっぱいに踏み込むと、解放された一本の弦がダルシマー効果で響きを増すので、1/2踏んだ時よりも響きが大きくなる〜と聴き驚きました。
それを知って、欲しい響きをイメージしながら、シフトペダルをコントロールする必要があるのですね。
ピアノのタッチについて
ピアノのアクションから、タッチを考えることが重要です。
アクションの各部分がフリンジという連結部でつながっていて、それぞれが円運動で動くため、アクションに直接的に働きかける強い打鍵は、ハンマーが弦を叩く孤をきれいに描けない、とのこと。ゴルフのシャフトの動きやテニスのスクロールに例えられていました。
この説明は、最近私がタッチのアドバイスを受けている『お豆奏法』の館えりな先生の双方とも重なり、よくわかった気がしました。
4.さいごに
大変美しいピアノ演奏とともに、ペダルのヒミツも、タッチのヒミツも、手や足元をアップして大スクリーンにさらけ出してくださった、ピアニストの藤井快哉さんに拍手です。
第1部では、フォーレのノクターン第6番、シューマン=リストの献呈
第二部では、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ、リストのエステ荘の噴水 本当に素敵なプログラムでした。
人生かけて美しい音を求める、プロアマ問わずたくさんの人が講義に聞き入りました。素晴らしい講義をありがとうございました。
神戸北町のしばたピアノ教室 柴田 幸代