月一回、オンラインで高田美佐子先生から、レッスンで使えるピアノの即興演奏法を学んでいます。
音楽で時代を伝える
フランスのソルフェージュ法であるフォルマシオンミュジカルとダルクローズの専門家であられる高田美佐子先生からは、音楽で音楽へのアプローチができるすばらしい学びをさせていただいてます。
音楽を聴いてどんな雰囲気の曲かを感じ取ること。
楽譜を見てどんなニュアンスで演奏するかを読み取って弾くこと。
音楽から体感して音楽の用語や記譜に結び付けていくフォルマシオンミュジカルは、大人でも楽しく学べるメソッドです。どんな音楽家を音で弾いてサンプルを提供するのが、ピアノの先生!(←ここを目指しています。)
タイムマシンで中世~ルネッサンス期の国々に行って音楽を聴いたかのように、ピアノで生き生きと音楽を伝えることがお仕事なのです。
中世でつかわれた音列を教会旋法(モード)といいます。
音楽は、さまざまな要素で成り立っていますが、旋律の音の並び方にも特徴と色彩感があります。
ルネッサンス、バロック期以降は、長調と短調の音階が主になりましたが、中世のころ(5c~15c長い!)に歌われたり演奏されていた音楽の音列を「教会旋法」(モード)といいます。
モードは7種類あって、それぞれ、
イオニア旋法、ドリア旋法、フリギア旋法、リディア旋法、ミクソリディア旋法、エオリア旋法、ロクリア旋法
という名前がついています。頭文字を取って、「イドフリミエロ」という語呂合わせで、テストに備えた人も多いかと思います。
耳になじんだ長調や短調とはちょっと違う半音の場所があって、音で聴くと「あれ?」と不思議な気持ちになります。
エオリア旋法・ドリア旋法・ミクソリディア旋法を弾き分ける
今回は、「エオリア旋法」「ドリア旋法」「ミクソリディア旋法」を弾き分ける、という課題を練習しました。
・6/8拍子
・同じ伴奏形、同じテンポ設定
という条件でそれぞれの旋法をランダムな順番に弾いて、同じグループの聴いている人が旋法名の順番を当てる、という課題です。
何度もそれぞれのモードに使われる音列を確かめながら、メロディを即興演奏してみました。
こどもたちにわかりやすく演奏するためには、
・それぞれの旋法の特徴音を拍頭や長く伸ばす音に入れる。
・旋法の中心音がわかりやすいようにフレーズの終わりは第1音か第5音にする。
という工夫が必要です。
いかにも生徒に向けて「この特徴的な音にきづいて!」という弾き方で。
そして、このエクササイズを教室のレッスンで使えるレベルにまで弾き慣らしていくことが大切です。
調性音楽に慣れた学習者は、長調や短調と比べて覚えていくとわかりやすい
さてその前に、指導者でも、ドリア?エオリア?ミクソリディア?って、頭が混乱してしまうわけですが、
上の3つの旋法は、長調や短調に似ています。
長調寄りな旋法~ミクソリディア(長調の音階で第7音を半音下げるだけ)
短調寄りな旋法~エオリア(短調の自然短音階と同じ)
短調寄りな旋法~ドリア(短調の自然短音階で、第6音を半音上げる)
高田美佐子先生の音楽の講座は、常に要素を2つ3つと比較しながら特徴をとらえていくことで、感覚に定着させてゆくことができます。
長調寄りだから、ひょうきんで明るい表情が出るミクソリディア。
短調寄りだけれど、第6音が上がることでユーモラスな顔もできるドリア。
短調の自然短音階と同じで、しっとりと短調の世界にいるエオリア。
旋法を弾き分けるときに先生の方も心が動くから、より生徒に伝わる~
そんな気がします。
その場でさっと創作して演奏する即興演奏ですから、まだまだトレーニングが必要です。
旋法を楽譜の中にみつける楽しみ。表情をつける楽しみ。
バロック以降~現代の名曲の中にも曲の中に見え隠れする教会旋法。
知っておくと読譜と演奏の楽しみもふくらんでいきます。
神戸北町のしばたピアノ教室 柴田 幸代