はじめに
5月16日、フェスティバルホールで行われた大阪フィルハーモニー交響楽団の第508回定期演奏会を鑑賞してきました。名ピアニスト、ミシェル・ダルベルトと、東ドイツ出身の指揮者ゲオルク・フリッチュによる公演でした。その様子をリポートします。

開演前のプレトーク:演奏者たちの人柄と音楽への期待
ロビーでは大阪フィルの関係者によるプレトークがありました。
リハーサル時からのダルベルト氏の深く印象的な響きだったこと。
指揮者フリッチュ氏はおちゃめなところもある明るく親しみやすい人柄の方だということ。
そして、最後のプログラムは、特別な試みとして原曲通りの大編成オーケストラによる演奏なので、それを楽しんでほしいとのことでした。

プログラム構成と演奏内容

第一部
- ウェーバー:歌劇《オイリアンテ》序曲
- シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ピアノ:ミシェル・ダルベルト
アンコール

- リヒャルト・シュトラウス:〈眠りにつくとき〉(「四つの最後の歌」より/ダルベルト編曲)
コンサートマスターとともに繊細な旋律の響きを披露されました。胸に沁みる演奏でした。 - シューベルト(ラフマニノフ編曲):美しい水車小屋の娘より〈どこへ?〉
軽快で楽しい曲調が印象的で、前曲の涙のあとでクスっと笑わせてくれるようでした。
第二部
第二部は、リヒャルト・シュトラウスの名曲の熱演されました。
- リヒャルト・シュトラウス:交響詩《ドン・ファン》作品20
- 交響的幻想曲《影のない女》より
プレトークで聞いた通り、オルガン、チェレスタ2台、ハープ2本、ホルン8本という原曲に忠実な大きなな編成での演奏でした。8本のホルンは圧巻。
フェスティバルホールの空間全体が音楽で包まれました。
会場の雰囲気とオーケストラの熱量
- ステージが狭く感じるほどの大編成を初めて見ました。
- オーボエやホルンやその他のプレーヤーも、大フィルの総力をあげたパフォーマンスに感動しました。
- ホール全体が音楽のエネルギーに満たされた夜。お客さんもみんな拍手がやまず。
ミシェル・ダルベルトの魅力と個人的な印象
- シューマンのコンチェルトでは、左手のベースの動きが特に印象的で、オーケストラをも支えて運んでいく存在感のピアノ。
- 熟練した年齢ならではの深みと落ち着きがあって、彼の演奏はまさに「語り」であり、音を通して人柄がにじみ出ているようでした。
- なにより、大人の男の魅力、ダンデイーな所作が素敵。
CDを購入しました。

2024年録音のダルベルトのCDを購入しました。
リスト、モーツァルト、ブラームス、ラフマニノフ(この日のアンコール曲)が入っています。
ダルベルトのサイン会はなかったので、ちょっぴり残念。
でもCD売り場で、偶然、ご近所のピアニストの知人とばったりお会いできました。

おわりに:またダルベルトを聴きたい
久しぶりのフェスティバルホールでの感動的な夜。

音楽に感謝したい気持ちでいっぱいになりました。これからも時々、大フィルも聴きに来ようと思いました。
また、ミシェル・ダルベルト自身が好きなフォーレの生演奏も今度は聴いてみたいです。