
生徒さんを迎える30分前の小さなルーティン
レッスンの日。
生徒さんが来られる30分前になると、私はいつものように、少し早めにピアノ室の準備をはじめます。
今日は、玄関前にたくさん落ち葉が積もっていました。
秋の風のの贈り物のようですが、そのままでは足元がすべりそう。
ほうきを持って掃きながら、「今日も気持ちよく迎えたいな」と思いました。
玄関を整える ― はじまりの空気づくり
玄関は、いちばん最初に「いらっしゃいませ」の気持ちを伝える場所。
落ち葉を掃いたあと、玄関のたたきを水拭きして、ドアノブを軽く拭きます。
掃除機をかけて、観葉植物の葉っぱを軽く拭いて、花びんに季節の小花を一輪。
ほんの少しのことで、空気が明るくなるように感じます。
ピアノと道具を整える ― 音の準備
朝の時間、ピアノのふたを開けて、軽くスケールを弾いてみます。
部屋に朝の光が広がる瞬間が好きです。
楽譜やメトロノーム、譜面台やリズムの小物も、それぞれの定位置に戻します。
小さな整えの積み重ねが、落ち着いたレッスンにつながる気がします。
自分の心を整える ― 教える前の深呼吸
だいたい整ったら、深呼吸を3回。
今日来る生徒さんの顔を思い浮かべながら、「今日はどんな笑顔でやってくるかな」と心を落ち着けます。
短い時間でも、このひと呼吸があると、不思議と気持ちが整います。
香りと光の演出
ごくゆるくアロマの香りを。
カーテンを少し開けて、自然光を部屋に入れます。
午後からは、光が入りすぎると室温が上がるので、カーテンとエアコンで微調整。心地よいお部屋作りは感覚でととのえるのが大切。
生徒さんを迎える笑顔の瞬間
ドアベルが鳴るまえは
お茶を一口飲んで、生徒さんのカルテをチェック。準備しておくものや連絡することを再確認します。
ドアベルが鳴ったら、「こんにちは!」と笑顔でお出迎え。
その瞬間、私の一日がはじまります。
――
こんな風に、レッスン前の30分は、私にとって“心を整える大切な時間”。
教える前の準備というよりも、生徒さんと気持ちよく向き合うための、小さな儀式のようなものかもしれません。
季節が変わっても、この時間だけは変わらずに、落ち着いて準備ができるように続けていきたいと思います。 今日もよいレッスンができますように。